シルバーブロンドの王子様が甘すぎる〜海を越えた子守り唄
「くるみ」
「はい」
女王陛下に呼ばれて、緊張感を持って相対する。
「この子守り唄は、かつて栄華を誇ったシルカー王家の隠し財宝のありかを示す、と言われています。日本円で言えば時価数百億円以上だそう」
「……そう、だったんですか……」
隠された秘密に驚いた。
「なぜか、シルカー王家の女性の歌声のみ。どんな媒体に記録しても解明はできなかったそうです……もし、あなたが望むなら解明しようと思いますが、どうしますか?」
数百億円の隠し財宝…
それだけあれば、孤児院や学校が全国に作れる。
でも……
わたしは、首を横に振った。
「いいえ……わたしにとってこの歌は、母から贈られた掛け替えのない歌…母が子を想う子守り唄。だから……いいんです。わたしも……子どもに伝えたいんです。優しく懐かしい歌を……」
わたしがそっと両手でお腹に触れると、後ろからカイルがわたしとお腹の子どもを優しく抱きしめてくれた。
あたたかくて、力強い……頼もしいわたしの夫。
「そうね……それが一番だわ。ねえ、シン。わたし達はカイルしか生まれなかったけど……きっと、カイルとくるみなら大丈夫よね?」
「ああ…そうだな」
初めて聴いた王配殿下の声は、カイルそっくりだった。お二人が目だけで会話するのを見て、素敵だと感じた。
まだまだ、わたしたちの先にはなにが待ち受けるかわからないけど…。
この人となら、大丈夫。
「ありがとう、カイル……わたしを見つけてくれて……」
「くるみ…オレもだよ。オレを見つけてくれてありがとう」
(本当のお母さん…ありがとう…わたしを産んでくれて…護ってくれて…あなたの血を繋いでいきます…この人と2人で…)
そう誓ったわたしは、そっと触れ合うだけのキスをカイルとかわした。


