双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました

晃介の来訪

翌日、土曜日で仕事が休みだった葵は晴馬を近くの外科へ連れて行き、昼ごはんをうちで取ったあと近所の公園へ出かけた。歩けるようになったと思ったらもう走り出す勢いの双子は体力が有り余っている。

必ず一日一回は外でめいいっぱい遊ばないと夕方に機嫌が悪くなるのだ。
 
晴馬の傷は綺麗に縫ってあったから、治りをよくするためにガーゼをあてる必要もないと外科で言われた。

もう痛くないようで傷が剥き出しのまま、いつも通りに走り回る晴馬を、ハラハラしながら見守った。

そして夕方四時頃、公園を出た。途中スーパーへ寄ってから家を目指す。

葵が双子と暮らすマンションは築四十年の古い五階建。お世辞にもおしゃれとは言えないが、その分家賃がリーズナブルで、双子をひとりで育てる葵にはぴったりの物件だった。
 
双子用のベビーカーを押しながら、マンションの隣のコインパーキングを通りかかった葵は、停まっている車に目を留めて眉を寄せた。

黒のスポーツタイプの高級車が晃介の車と同じ車種のものだったからだ。
 
まさか、という考えが頭に浮かぶ。
でもすぐにそれを否定した。

世の中に同じ車種の車は掃いて捨てるほど走っている。昨日の今日だから気になってしまうだけだ。
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