双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました

エピローグ 幸せな夜

タオルドライしただけの髪のままで、パジャマ姿の葵が洗面所から出てくると、リビングのソファでくつろいでいた晃介が振り返った。

「シャワー終わった?」

「うん」
 
答えると、彼は立ち上がる。廊下を行きある部屋のドアを開ける。

双子が寝ている主寝室とは別の個室である。

晃介が深夜帰宅になる際に、使っている寝室だ。
 
普段は大きなベッドをふたつ入れた主寝室で家族四人で寝ている。

でも彼の帰宅が極端に遅くなる時は、そちらを使ってもらっているのだ。
 
もちろん彼の方は、深夜帰宅だろうがなんだろうがみんなで一緒に寝たがる。

以前はそうしていたのだが、彼が帰ってきた気配で目を覚ましてしまったふたりが、パパの姿に大興奮して寝られなくなるということが何度かあった。
 
だから葵からお願いして、そうしてもらっているのである。
 
個室に葵が足を踏み入れると、晃介はドアを閉めベッドに背を預けて床に座る。

あらかじめ用意してあったドライヤーを手に腕を広げた。

「おいで、葵」
 
休前日の夜のふたりの習慣だった。
 
一週間、息つく暇もないほどに働いた晃介に、髪を乾かしてもらうなんて本当なら申し訳ないといったところだろう。

 でもほかでもない本人がそれを望むのだ。
「ほら、早く。俺にリラックスさせてくれ」

 ほかの人が聞いたなら、まったく意味不明な言葉を口にして、晃介が手招きする。
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