双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました
こんなひとときが葵にとってなにものにも代えがたい幸せな時間だ。どんなに疲れていてもこの笑顔のためなら頑張ろうと思える。

ケラケラ笑うふたりのほっぺにキスをして、朝ごはんにしようかと葵が起き上がった時、玄関の呼び鈴が鳴った。

葵はそのまま動きを止めて首を傾げる。

誰だろう?

引っ越してきたばかりのこの家に、それも土曜日の朝から訪ねてくる人物に心あたりはなかった。

「ちょっと待っててね」


双子に声をかけて立ち上がり玄関へ向かう。

開けたドアの先にいたのは晃介だった。

「いきなり開けるなんて、不用心だな。チェーンくらいしないと」

パジャマのまま出てきた葵に、眉を寄せて小言を言う。

葵は目を丸くした。

「え? こ、晃介? ど、どうしたの⁉︎」
「どうしたのって、今日は休みだから、行くってメールしたんだけど……その様子だと寝てたみたいだな」

言いあてられて、葵は真っ赤になってしまう。頭はボサボサ、パジャマのままだから言い逃れはできなかった。

「メールしたって……でも、どうして……?」

「葵がなかなか返事をくれないからだ」

少し不満そうに彼は言った。
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