双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました
「私の同期だって皆一生懸命だったもの。研修医の先生たちだって……」

そう言うと、晃介が破顔した。

「だな。ただ単純にひと目惚れしただけかもしれない。でも葵の存在に救われたのは事実だ。だから屋上で見かけた時はラッキーって思ったよ。で、頃合いを見計らって声をかけたってわけだ」

屈託のない笑顔で、はははと笑う。

一方で葵の方は、ひと目惚れという言葉に動揺していた。

「そんなの全然知らなかった……」

恋人同士だった頃にもそんな話は聞かなかった。

晃介が、葵を見つめる目を細めた。

「付き合っていた頃はカッコつけてたから言えなかったんだ。八歳も年上だし。でも今は、なりふりかまっていられない。君に愛してるって伝えるチャンスがあれば逃さない」

そう言って彼は、葵がなにか言う前に子供たちに視線を落とす。

「お、晴馬食べ終わったか。悠馬も、今日は早いじゃないか。さてはお腹がすいてたんだな」

そして子供たちの口を拭いて床へ下ろし、自分もうどんを食べ終えて、リビングへ行ってしまう。

残された葵の方は、火照った頬を持て余して、箸を持ったまましばらく動けなかった。
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