ウィザードゲーム〜異能バトルロワイヤル〜
【きたる12月4日、あなたたち2年B組の生徒は全員死にます。
殺されたくなければ“魔術師”を捜し出して皆殺しにすること。
魔術師の中で、あなたが唯一の生存者になったら見逃してあげる。
力を得たくば何かを捨てよ。
時には“運”があなたの生死を分けるもの……結果が悪くても、そのときは諦めるべし!
それじゃ、健闘を祈ってるよ~。
※本ゲームのプレイに拒否権はありません。
※いかなる場合においても異能の譲渡は不可となります。
※魔術師以外を殺害した場合、ペナルティが与えられます。】
目を通した小春は、眉を寄せたまま首を傾げる。戸惑いに明け暮れた。
自分がゲームに詳しくないせいもあるかもしれないけれど、こんなゲームは見たことも聞いたこともない。
どうしてこんなメッセージが届いたのか、心当たりもなかった。
うとうとしていたときに誤ってリンクを踏んでしまったのだろうか。
試しに“ウィザードゲーム”と検索してみたけれど、引っかかるどころか「結果が見つかりませんでした」と表示される始末だった。
「おかしいな……。まさかウイルスとかじゃないよね」
そんな不安に駆られながら、戻るアイコンをタップする。
しかし、なぜか反応しなかった。
「あれ?」
画面はメッセージを開いたまま固まっており、何度押しても動かない。
ホーム画面に戻ることも電源を落とすこともできず、小春の不安はますます膨らんでいく。
次の瞬間、ぱっと画面が暗転した。
ほどなく勝手に再起動され、その不自然な挙動に困惑しながらもロックを解除する。
「何、これ……?」