実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
レザール様と私の写真が二日連続新聞の一面に掲載されてからというもの、お茶会やパーティーのお誘いがひっきりなしに届くようになった。
その中の一つを私はそっとつまみ上げた。
私は、それほど社交が得意ではない。
もちろん、フィアーナ・ウィールディアとして生きてきたのだから、作法は問題ないのだろう。
「…………国王陛下直筆」
その中の一通は、決してお断りできない招待状だ。
国王陛下の直筆サインが入った招待状、それはプライベートなお誘いであると同時に、決して断ることの出来ないものだ。
王太子殿下が、三年前の騒ぎで廃嫡になってしまった責任の一端は私にもある。
もしも、私がちゃんと支えていけたなら……。
「うーん。長男の婚約者だった女性が、末の息子と恋人という噂が立っているだなんて、外聞が悪いだけではなく、親御さんとしても複雑でしょうね……」
レザール様は、本当にしっかりしていて、完璧なお方だ。
それなのに、どうして私なんかを好きだと言ってくれるのかは、いまだに謎しかない。
それでも……。
「セバスチャン、招待状の日時は三日後だわ。どうしても、最高のドレスが必要なの」
本当に、いつも忙しいレインリーフの主任デザイナーを呼び出すのは申し訳ないけれど、こればかりはどうしようもない。