Restart〜二度目の恋もきみと
私はパジャマのまま、階段をおりて
リビングに入ると
台所からお味噌汁の良い香りが漂ってきた。
「お母さん、おはよう」
「あら、桜良おはよう。
朝ご飯出来てるわよ。
あと、お弁当も。今日から新しい会社よね?頑張りなさい。」
母は台所でお弁当におかずを詰めながら
優しい口調で言った。
「うん。ありがとう」
ダイニングテーブルに並べられた朝食を
見て小さく呟いた。
「お父さんは?」
「お父さん、今日は朝早くから
仕事仲間とゴルフよ。
まったく、気楽なものよね」
母の言葉に私はフフッと笑ってしまう。
母も父も離婚の原因については
聞くことはない。
きっとなんとなく気づいているのだろう。
私が実家に泣きながら帰ってきたとき
母は黙ってずっと抱きしめてくれた。
学生時代にいじめで散々心配させたのに
離婚して出戻りなんて、つくづく私は
親不孝ものだと思う。
せめて、自分で稼いで家には
ちゃんとお金を入れていきたい。
私は竜海さんのいた会社を退職して
今日から新たに新しい会社に就職が決まった。
竜海さんは会社まで辞めなくてもよいとは
言ってくれたけど、
そういうわけにもいかない。
きっと、彼の近くにいたら
私はずっと彼を引きづってしまう
気がしたからだ。
慰謝料も財産分与もすべて断った。
それが私の彼に今まで嘘をついていたこと
へのせめてもの償いだから。
リビングに入ると
台所からお味噌汁の良い香りが漂ってきた。
「お母さん、おはよう」
「あら、桜良おはよう。
朝ご飯出来てるわよ。
あと、お弁当も。今日から新しい会社よね?頑張りなさい。」
母は台所でお弁当におかずを詰めながら
優しい口調で言った。
「うん。ありがとう」
ダイニングテーブルに並べられた朝食を
見て小さく呟いた。
「お父さんは?」
「お父さん、今日は朝早くから
仕事仲間とゴルフよ。
まったく、気楽なものよね」
母の言葉に私はフフッと笑ってしまう。
母も父も離婚の原因については
聞くことはない。
きっとなんとなく気づいているのだろう。
私が実家に泣きながら帰ってきたとき
母は黙ってずっと抱きしめてくれた。
学生時代にいじめで散々心配させたのに
離婚して出戻りなんて、つくづく私は
親不孝ものだと思う。
せめて、自分で稼いで家には
ちゃんとお金を入れていきたい。
私は竜海さんのいた会社を退職して
今日から新たに新しい会社に就職が決まった。
竜海さんは会社まで辞めなくてもよいとは
言ってくれたけど、
そういうわけにもいかない。
きっと、彼の近くにいたら
私はずっと彼を引きづってしまう
気がしたからだ。
慰謝料も財産分与もすべて断った。
それが私の彼に今まで嘘をついていたこと
へのせめてもの償いだから。