Restart〜二度目の恋もきみと
そして交際してから
1年後の春、彼からプロポーズを受けて
私達は晴れて結婚した。

そう、あの時、私は選択を
誤ってしまったのだ。

いや、もしかしたらどちらを選択しても
彼との結婚はどのみち消えてしまっていたのかもしれないけど。

私は勉強机の上のスタンドミラーに
自分の顔がうつっているのに気づいて
そっと鏡をふせた。

そう...私の今の顔は偽りなのだ。

小学校を卒業するまでは
普通に楽しく暮らしていた。

だけど中学生になって父の転勤で
学校が変わったのを機に
クラスの人達から
自分の容姿のせいで
虐められるようになった。

それから学校に行くのが怖くなった私は
中学2年生で不登校になったのだ。

そして高校は通信制を選択したので
人と会う機会は少なく問題はなかったが
大学や社会に出ればそうはいかない。

このままではいけない。

そんな自分を変えたくて
母と父に整形手術をしたいと懇願したのだ。


母も父も私にまた笑顔が戻るならと
反対することもなく承諾してくれた。

母からは結婚前にちゃんと整形したことを
話したほうが良いと言われたが
竜海さんに拒絶されるのではと
恐くて打ち明けることができなかった。

もしあの時、正直に全て打ち明けていたら
今も竜海さんの隣に立つことはできていたのだろうか...

今更、後悔したところで遅いのに...

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