春の花咲く月夜には
「今の男って、心春ちゃんの元カレかなにか?」

「・・・はい」

「そう・・・。心春ちゃんも色々あったのねえ・・・」

そう言うと、マサさんはしんみりとした顔をした。

へんなところを見られてしまって、恥ずかしさで私は少しうつむいた。

「・・・・・・。心春ちゃん、今お仕事帰り?お夕飯はまだかしら」

「あ、はい」

「じゃあ・・・、うちのお店に食べに来ない?こんな時だしごちそうするわよ~」


(マサさんのお店・・・)


今日は元々、早く帰って早く寝ようと考えていた。

けれど、残業があって先生に会ってこんな気持ちになっていて・・・。

このまま帰宅して一人で過ごすと思うと切なくなるし、誰かと話がしたい気持ちもあった。

それに、お腹が空いているのは事実だし、マサさんの料理は美味しいし・・・。


(明日は12時に会う予定だし、23時頃までに帰れば平気かな・・・)


ぐーっと、お腹の音も鳴ってしまった。

お腹の願望には抗えないよう。

私は、「ありがとうございます」とお礼を言って、マサさんのお店に連れて行ってもらうことにした。










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