春の花咲く月夜には
店に入った時よりも、月が高く昇ってる。
星がたくさん見えるから、明日は晴れるかもしれない。
「なんだか、すごくにぎやかだったね」
「ですね。まさかあそこで小学校の校歌歌い出すとは思わなかったけど」
「ふふ。ね。しかも、2人とも結構上手くって」
「そう。やたらいい声だったし」
「うん」
2人で笑った。
予想外の展開だったけど、楽しくて、なかなかいい時間だったと思う。
そこから、焼き鳥屋さんでの出来事や、たわいもない話を交わしつつ、駅へと向かって2人で歩いた。
「・・・・・・」
(・・・よ、よし。この時間に、今度こそ・・・)
さっき話せなかったこと。
賀上くんに、曲のことをちゃんと聞くんだ。
そう意気込んではみたものの、土曜の夜の繁華街、駅までの道中は、人も多くて騒がしく、落ち着かなかった。
周りには、20代ぐらいの男女グループがやたらと多い印象だ。
人波の中、一瞬、はぐれそうになった私の右手を、賀上くんは捕まえるようにきゅっと握った。
そういえば・・・、こうしてちゃんと手を繋ぐのは、初めてのことかもしれない。
キスは何度かしてるけど。
賀上くんと手を繋いで歩くのは、今更ながら、やけに緊張してしまう。
「・・・人、多いね」
「そうですね。土曜日だから・・・、けど、今日は特に多いかな」
賀上くんも、緊張しているのだろうか。
彼の手は、どこかぎこちなく、落ち着かないように思った。
そこからは、2人ともあまり話さずに、あっという間に駅へと着いた。
そのまま改札を通ってホームに立って、次に来る電車を待った。
(・・・曲のこと、ちゃんと聞かなきゃ・・・)
繋いでいる手のことばかりを意識して、私はまだ、肝心な話を聞けないままだ。
ここから、賀上くんの家の最寄り駅までは数駅だから、あまり時間が残っていない。
本当に、今度こそ・・・と意を決し、私が口を開きかけた時、賀上くんが、一足先に呟いた。
「・・・心春さん、明日って用事ありますか?」
「えっ?・・・ううん。特にないけど・・・」
星がたくさん見えるから、明日は晴れるかもしれない。
「なんだか、すごくにぎやかだったね」
「ですね。まさかあそこで小学校の校歌歌い出すとは思わなかったけど」
「ふふ。ね。しかも、2人とも結構上手くって」
「そう。やたらいい声だったし」
「うん」
2人で笑った。
予想外の展開だったけど、楽しくて、なかなかいい時間だったと思う。
そこから、焼き鳥屋さんでの出来事や、たわいもない話を交わしつつ、駅へと向かって2人で歩いた。
「・・・・・・」
(・・・よ、よし。この時間に、今度こそ・・・)
さっき話せなかったこと。
賀上くんに、曲のことをちゃんと聞くんだ。
そう意気込んではみたものの、土曜の夜の繁華街、駅までの道中は、人も多くて騒がしく、落ち着かなかった。
周りには、20代ぐらいの男女グループがやたらと多い印象だ。
人波の中、一瞬、はぐれそうになった私の右手を、賀上くんは捕まえるようにきゅっと握った。
そういえば・・・、こうしてちゃんと手を繋ぐのは、初めてのことかもしれない。
キスは何度かしてるけど。
賀上くんと手を繋いで歩くのは、今更ながら、やけに緊張してしまう。
「・・・人、多いね」
「そうですね。土曜日だから・・・、けど、今日は特に多いかな」
賀上くんも、緊張しているのだろうか。
彼の手は、どこかぎこちなく、落ち着かないように思った。
そこからは、2人ともあまり話さずに、あっという間に駅へと着いた。
そのまま改札を通ってホームに立って、次に来る電車を待った。
(・・・曲のこと、ちゃんと聞かなきゃ・・・)
繋いでいる手のことばかりを意識して、私はまだ、肝心な話を聞けないままだ。
ここから、賀上くんの家の最寄り駅までは数駅だから、あまり時間が残っていない。
本当に、今度こそ・・・と意を決し、私が口を開きかけた時、賀上くんが、一足先に呟いた。
「・・・心春さん、明日って用事ありますか?」
「えっ?・・・ううん。特にないけど・・・」