春の花咲く月夜には
賀上くん・・・咲也と付き合い始めて3か月。
季節は秋になっていた。
吹く風がとても心地よく、あちこちから、金木犀の香りが漂う。
紅葉も、美味しいものも、全て楽しみに思ういい季節。
こういう秋の楽しみは、当然、去年までもあったけど。
今年の秋は・・・、今までとは、まるで違うように思ってる。
それはもちろん、彼と一緒に過ごすから。
(営業部の分はこれで終わり・・・、で、あとはマーケティング部だ・・・)
午後3時・・・、10分を経過したところ。
本日郵便係の私は、郵便局に行く前に、届いていた配送物を、各部に届けて回っていた。
封筒に、主任の城井さんが貼ってくれた「マーケティング部」の付箋を見つめる。
(ーーー咲也、いるかな・・・)
マーケティング部の入口に立ち、私は呼吸を整えた。
相変わらず、他部署に行くのは苦手だけれど、咲也に会えるかもって思うと、マーケティング部を訪れるのはちょっと楽しみでもあった。
「T's Rocketのサクヤ」ももちろん好きだけど、サラリーマンの彼も同じくらいに私は好きで。
仕事中、スーツを着ている彼の姿は、キリッとしてて、やっぱりとてもかっこいいなと思うから。
「・・・失礼します・・・」
「向居さん。なにか用かな」
挨拶をして、マーケティング部の中へ足を一歩踏み入れた時、斜め前方から近づいてきた男性に声をかけられた。
確か・・・、増田さんだったかな。
見た目もノリもちょっと軽いタイプの男性で、私や紗也華より、少し年上だったと思う。
ほとんど話したことがないけれど・・・、名前を憶えられていることに、私は少し驚いた。
「あ・・・、はい。こちらを届けに伺いました」
「あー、課長宛てね。渡しとくから預かるよ」
「ありがとうございます。では・・・」
と、封筒を渡そうとしたその時に、後ろから、「増田さん」と、低音の苛立ったような声が聞こえた。
この声は・・・、と、私は、増田さんの後ろに目を向ける。
「さっき頼まれてたデータ送っといたんで。確認してもらっていいですか」
「あー、オーケー。後で見とく」
季節は秋になっていた。
吹く風がとても心地よく、あちこちから、金木犀の香りが漂う。
紅葉も、美味しいものも、全て楽しみに思ういい季節。
こういう秋の楽しみは、当然、去年までもあったけど。
今年の秋は・・・、今までとは、まるで違うように思ってる。
それはもちろん、彼と一緒に過ごすから。
(営業部の分はこれで終わり・・・、で、あとはマーケティング部だ・・・)
午後3時・・・、10分を経過したところ。
本日郵便係の私は、郵便局に行く前に、届いていた配送物を、各部に届けて回っていた。
封筒に、主任の城井さんが貼ってくれた「マーケティング部」の付箋を見つめる。
(ーーー咲也、いるかな・・・)
マーケティング部の入口に立ち、私は呼吸を整えた。
相変わらず、他部署に行くのは苦手だけれど、咲也に会えるかもって思うと、マーケティング部を訪れるのはちょっと楽しみでもあった。
「T's Rocketのサクヤ」ももちろん好きだけど、サラリーマンの彼も同じくらいに私は好きで。
仕事中、スーツを着ている彼の姿は、キリッとしてて、やっぱりとてもかっこいいなと思うから。
「・・・失礼します・・・」
「向居さん。なにか用かな」
挨拶をして、マーケティング部の中へ足を一歩踏み入れた時、斜め前方から近づいてきた男性に声をかけられた。
確か・・・、増田さんだったかな。
見た目もノリもちょっと軽いタイプの男性で、私や紗也華より、少し年上だったと思う。
ほとんど話したことがないけれど・・・、名前を憶えられていることに、私は少し驚いた。
「あ・・・、はい。こちらを届けに伺いました」
「あー、課長宛てね。渡しとくから預かるよ」
「ありがとうございます。では・・・」
と、封筒を渡そうとしたその時に、後ろから、「増田さん」と、低音の苛立ったような声が聞こえた。
この声は・・・、と、私は、増田さんの後ろに目を向ける。
「さっき頼まれてたデータ送っといたんで。確認してもらっていいですか」
「あー、オーケー。後で見とく」