春の花咲く月夜には
私自身、どちらでもいいなと思っているし、彼が呼ぶ、「心春さん」という響きは私も好きだった。

けれどもし、「心春」と呼ばれたとしても、私は好きって感じるんだと思う。

だってきっと、彼が私の名前を呼ぶのなら、どちらでも、優しく甘く、耳に響くと思うから。

「心春さん、何か買い物ある?」

「ううん。今日は、忘れないように先に買っておいたんだ」

「そっか。じゃあ・・・、行きますか」

「うん」

彼が左手を差し出して、私はすぐにその手をとった。

少しヒンヤリとした、大きな手。

彼とこうして手を繋ぐのは、以前はとてもドキドキとして、落ち着かなかったことだけど。

今はそういうドキドキよりも、ほっと安心できることだった。










< 200 / 227 >

この作品をシェア

pagetop