春の花咲く月夜には
「・・・うちの部で、心春さんのこと気に入ってる先輩が何人かいて。今日もかわいいって騒いでたし・・・、スタイルもいいとか結構ガン見してたから。あんまり・・・、彼女の身体とか、ジロジロ見られたくないっていうか」
「・・・っ!?」
そんな視線に気づかなかった。
うちの会社で、働き始めて早6年。
社内でそんな視線を感じたことは、今まで一度もなかったけれど。
「・・・通勤用にって、買ってた服なら申し訳ないけど」
「う、ううん。服とか体型とか、そんなに見られてる意識がなかったんだけど・・・。もし、ほんとにそうなら、そういうのは私もイヤだし・・・」
試着した時、スタイルが良く見える気がして買った服。
客観的にもそう見えるなら、よかったのかもしれないけれど・・・、状況としては複雑だった。
そしてこれは、私のスタイルがいいわけじゃなく、スカートのデザインがとてもいいのだけれど。
「・・・『ほんとに』って、ほんとだし。心春さん、もう少し自覚してほしいんだけど・・・。増田さんとか、今日、超ガン見してたの気づかなかった?」
「・・・・・・、う、うん」
「・・・マジか・・・・・・。なんか、すげぇ不安になってきた・・・」
私の後ろで、咲也が大きく息を吐く。
その吐息が耳にかかって、私の身体がビクリと震えた。
「・・・心春さん、増田さんに『仕事の相談がある』とか・・・、もっともらしいこと言われて食事に誘われたら、行っちゃいそうで怖いんだけど」
「い、行かないよ。増田さんが私に仕事の相談とか絶対必要ないと思うし・・・、もし、誘われたとしても、増田さんはちょっと軽そうだから・・・、さすがに私も警戒するよ」
「・・・じゃあ、一ノ瀬さんは?」
「一ノ瀬さん・・・、一ノ瀬くん?」
「うん」
「・・・・・・」
私と紗也華と同期入社、現在マーケティング部の、一ノ瀬くんの顔を思い出す。
一ノ瀬くんは、数年間、他県に転勤していたこともあり、同期といえど、あまり関わりがなかったけれど・・・、しっかりしていて、穏やかで真面目な印象がある。
「・・・っ!?」
そんな視線に気づかなかった。
うちの会社で、働き始めて早6年。
社内でそんな視線を感じたことは、今まで一度もなかったけれど。
「・・・通勤用にって、買ってた服なら申し訳ないけど」
「う、ううん。服とか体型とか、そんなに見られてる意識がなかったんだけど・・・。もし、ほんとにそうなら、そういうのは私もイヤだし・・・」
試着した時、スタイルが良く見える気がして買った服。
客観的にもそう見えるなら、よかったのかもしれないけれど・・・、状況としては複雑だった。
そしてこれは、私のスタイルがいいわけじゃなく、スカートのデザインがとてもいいのだけれど。
「・・・『ほんとに』って、ほんとだし。心春さん、もう少し自覚してほしいんだけど・・・。増田さんとか、今日、超ガン見してたの気づかなかった?」
「・・・・・・、う、うん」
「・・・マジか・・・・・・。なんか、すげぇ不安になってきた・・・」
私の後ろで、咲也が大きく息を吐く。
その吐息が耳にかかって、私の身体がビクリと震えた。
「・・・心春さん、増田さんに『仕事の相談がある』とか・・・、もっともらしいこと言われて食事に誘われたら、行っちゃいそうで怖いんだけど」
「い、行かないよ。増田さんが私に仕事の相談とか絶対必要ないと思うし・・・、もし、誘われたとしても、増田さんはちょっと軽そうだから・・・、さすがに私も警戒するよ」
「・・・じゃあ、一ノ瀬さんは?」
「一ノ瀬さん・・・、一ノ瀬くん?」
「うん」
「・・・・・・」
私と紗也華と同期入社、現在マーケティング部の、一ノ瀬くんの顔を思い出す。
一ノ瀬くんは、数年間、他県に転勤していたこともあり、同期といえど、あまり関わりがなかったけれど・・・、しっかりしていて、穏やかで真面目な印象がある。