春の花咲く月夜には
「心春さん、今までこういうことでそこまで感情出さないっていうか・・・、どっちかというと不安そうに見えたんだけど。ヤキモチ焼いて・・・、拗ねてる感じかわいいし、ちょっと嬉しい」

「・・・・・・っ」


(・・・そ、そっか、これ、ヤキモチだ・・・)


言われてみれば、ヤキモチ以外の何物でもないかもしれない。

自分の感情を遅ればせながら理解して、私は恥ずかしくなってくる。

きっと今、頬が赤いに違いない。

咲也は笑って、私の顔を覗き込む。

「心配しなくても、心春さん以外は見てないよ」

「!」

「だから、心春さんも・・・、オレ以外の男には目ぇ向けないで」

そう言うと、彼は私にキスをした。

そのまま私の口を開かせて、舌先を深く絡めてく。

「・・・っ、・・・、はぁ、・・・っ」

呼吸がすぐに荒くなり、頭の中と、身体が次第に火照ってく。

倒れそうな感覚になり、私は、彼の腕をきゅっと掴んだ。

応えるように、彼は私の腰を強く抱く。

反対の手は、私の胸を触れていき、腹部を辿り、ニットの裾から中を潜った。

素肌をなぞる彼の指。

その感覚に、ハッとする。

「・・・さ、咲也、待って」

「ん・・・?」

「ここ、キッチンだから・・・」

キスの合間、彼の手を押さえて私はなんとか訴える。

咲也は、甘く濡れたような眼差しで、私のことを、じっと見つめた。

「場所なんてどこでもいいんだけど」

「・・・こ、ここはやっぱり落ち着かないから・・・」

「・・・・・・」

咲也は一度手を止めて、少しの間考え込んだ。

そして、わかった、というように私に軽くキスすると、彼は私を抱き上げた。

そのまま寝室へと運ばれて、ゆっくりベッドに下ろされた。

明かりはつけないでいてくれる。

隣の部屋から差し込む光が、十分だからかもしれないけれど。

「・・・ここならいい?」

「うん・・・」

彼が私のニットを脱がせ、スカートのファスナーに手をかけた。

そのまま、スカートも脱がされる心づもりで私は少し動いたけれど、履く時にもコツのいる、ぴったりとしたロングのタイトスカートは、簡単に身体から離れない。
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