春の花咲く月夜には
「・・・・・・」

私は、気まずいような・・・恥ずかしい気持ちになった。

その様子に気づいた彼は、手を止めて、私を真上から見下ろした。

「どうした?」

「・・・や、あの・・・、スカート、お尻大きいからすぐに脱げないなって思って・・・」

私が言うと、咲也は一瞬キョトンとしたような顔をして、そして笑った。

笑い事じゃない・・・と、私はますます恥ずかしくなってくる。

「こういうスカートだし・・・、多少引っかかるっていうか、普通に脱ぎにくいものだと思うけど」

「・・・でも、もっと小さなお尻なら、もう少しスムーズに脱げると思うから・・・」

体型としては、私は普通なのだと思うけど。

お尻はちょっと大きめで、何気にコンプレックスでもあった。

「なんだそれ。かわいい」

もう一度、彼が笑った。

「なんだそれって・・・」と、私はちょっとむっとする。

「いや・・・、ごめん。大きさとかあんま気にしてなかったけど・・・、そういうふうに気にしてる、心春さんがかわいすぎるというか」

そう言うと、咲也は私にキスをした。

いつもより、優しく甘く、唇がとろけていくような。

「かわいいし、なんでもいいよ、心春さんなら」

「・・・・・・、なんでも・・・」

「うん。それにオレ、脱がせにくい服・・・、脱がすの好きって言わなかったっけ」

「・・・っ」

彼は笑って、もう一度、私に甘いキスをした。

スカートは、いつの間にか脱がされて、床の上にバサリと落ちた。

その横に、彼がシャツを脱ぎ捨てる。

彼は私を見下ろすと、愛おしそうに微笑んで、私の髪を優しく撫でた。

もう、身体は何度か重ねているけど、この瞬間は、やっぱりとてもドキドキとして、落ち着かない気持ちになった。

「・・・かわいい」

呟いて、彼は私の頬に触れていく。

私も早く触れたくなって、彼に向かって手を伸ばす。

唇と、肌がゆっくり重なった。

あとはもう、お互いに、気持ちを感じ合うだけだ。
















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