春の花咲く月夜には
そして咲也の膝に手をのせて、「あー、うー」とご機嫌な笑顔を見せた。

その様子がとてもとてもかわいくて、私はきゅーん!と心を掴まれる。

「どした琉花~。琉花も咲也のライブに行きたい?」

「だっ」

「そっか~。琉花ももう少し大きくなったら一緒に行こうね」

「だー」

ご機嫌な琉花は、そのままじっと、咲也のそばから離れない。

咲也はどうしたらいいか戸惑いながらも、照れているような感じに見えた。

「・・・やだ、琉花ったら、咲也くんイケメンだから気に入ったんじゃない?」

「そんな気がする。この歳ですでに女子か・・・」

奈緒と央登さんが、琉花を観察しながら話をしている。

琉花は、じーっと咲也を見上げていた。

「琉花、咲也に抱っこしてほしいのかな?」

「んーっ、贅沢な奴め。咲也くん、よかったらちょっと抱っこしてあげて」

「えっ。あ、えっと、どうすれば・・・」

咲也は、赤ちゃんや小さな子に慣れていないと言っていた。

私は、「ちょっとごめんね」と言って琉花を一度抱っこして、「こういう感じで・・・」と琉花を咲也の腕に預けた。

「わっ、だ、大丈夫かな・・・」

慣れない手つきで、咲也が琉花を抱っこする。

すると奈緒が「きゃーっ!」と歓喜の声を出し、スマホのカメラを素早く構えた。

「イケメンに抱っこされる琉花・・・!写真、いいですかっ!?」

「あ、ど、どうぞ・・・」

咲也はまたもや戸惑いつつも、はにかんだような笑顔を見せた。


(うっ・・・!)


・・・咲也もかわいい・・・。

私もたまらずスマホを出して、咲也と琉花の写真を撮った。

「と、尊い・・・!」

「うん・・・。2人とも、いい顔してる」

咲也にも、あとで送ろう。

思い出が、また一枚、一枚・・・と増えていく。

琉花は咲也に抱っこされて嬉しいのか、さらにご機嫌で、彼の顔をペチペチと、確認するように触れている。

咲也は、小さな琉花にまだまだ慣れないようだけど、琉花のことを、優しい眼差しで見つめていた。

「・・・かわいいな」

「ふふ。ね、かわいいよね」

咲也の小さな呟きに、私は隣で笑って頷いた。

覗き込むように近づいた私の頬にも、琉花は小さな手を伸ばす。
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