春の花咲く月夜には
「・・・・・・」
少しの沈黙。
咲也はしばらく考えて、慎重な様子で私を見つめた。
「こういうこと言うと、やっぱ、頼りないとか意志がないとか・・・フラフラしてると思われるかもしれないけど」
「・・・うん」
「今は正直、サラリーマンのままでも・・・、どっちでもいいと思ってる。少し前までは、『また絶対プロになってやる』とか、結構強く思ってたけど。今は本当に・・・、どっちに転んでも幸せじゃないかと思うから。どっちでもいいと思ってる」
「・・・・・・」
私は少し驚いた。
咲也の答えは、「いつかはまた音楽の道に進みたい」というものか、「もうプロになろうとは思わない」というさっぱりとした感じのものか・・・、どちらかの答えじゃないかと思っていたから。
「・・・それは・・・、どうしてそう思うの・・・?」
もしかしたら、強がりか・・・、私のことを考えて、どう転んでもいいのだと、自分に言い聞かせて・・・気持ちを隠しているかもしれない。
まだ、咲也の本音が掴めなくって、私は、踏み込んだ質問を彼にした。
「・・・・・・、シゲさんって、ギターやってる知り合いがいるんだけど」
「うん?」
「今、50歳くらいかな。すげぇ上手くて・・・。若い時は、プロ目指して結構がんばってたらしいんだけど。それは難しかったみたいで・・・、今は普通に企業でサラリーマンしてる。でも、ギターはずっと続けてて、今も月1くらいかな・・・、地元のライブハウスで仲間集めて演奏してて。奥さんと娘さんもたまに遊びに来るんだけど・・・、なんていうか、シゲさん、いつも幸せで、すげぇ楽しそうなんだよね」
「シゲさん」を思い浮かべたんだろう、咲也は柔らかく微笑んだ。
その表情にドキリとしながら、私はコクリと頷いて、話の続きを促した。
「シゲさん見てると、『こういう生き方いいよなあ』って、うらやましく感じるところがあって。・・・まあ、プロになってたら、もっと華やかな世界で楽しかったかもしれないし、もっと幸せに生きてたのかもしれないし・・・、そこは比べようもないからわからないけど」
「うん」
少しの沈黙。
咲也はしばらく考えて、慎重な様子で私を見つめた。
「こういうこと言うと、やっぱ、頼りないとか意志がないとか・・・フラフラしてると思われるかもしれないけど」
「・・・うん」
「今は正直、サラリーマンのままでも・・・、どっちでもいいと思ってる。少し前までは、『また絶対プロになってやる』とか、結構強く思ってたけど。今は本当に・・・、どっちに転んでも幸せじゃないかと思うから。どっちでもいいと思ってる」
「・・・・・・」
私は少し驚いた。
咲也の答えは、「いつかはまた音楽の道に進みたい」というものか、「もうプロになろうとは思わない」というさっぱりとした感じのものか・・・、どちらかの答えじゃないかと思っていたから。
「・・・それは・・・、どうしてそう思うの・・・?」
もしかしたら、強がりか・・・、私のことを考えて、どう転んでもいいのだと、自分に言い聞かせて・・・気持ちを隠しているかもしれない。
まだ、咲也の本音が掴めなくって、私は、踏み込んだ質問を彼にした。
「・・・・・・、シゲさんって、ギターやってる知り合いがいるんだけど」
「うん?」
「今、50歳くらいかな。すげぇ上手くて・・・。若い時は、プロ目指して結構がんばってたらしいんだけど。それは難しかったみたいで・・・、今は普通に企業でサラリーマンしてる。でも、ギターはずっと続けてて、今も月1くらいかな・・・、地元のライブハウスで仲間集めて演奏してて。奥さんと娘さんもたまに遊びに来るんだけど・・・、なんていうか、シゲさん、いつも幸せで、すげぇ楽しそうなんだよね」
「シゲさん」を思い浮かべたんだろう、咲也は柔らかく微笑んだ。
その表情にドキリとしながら、私はコクリと頷いて、話の続きを促した。
「シゲさん見てると、『こういう生き方いいよなあ』って、うらやましく感じるところがあって。・・・まあ、プロになってたら、もっと華やかな世界で楽しかったかもしれないし、もっと幸せに生きてたのかもしれないし・・・、そこは比べようもないからわからないけど」
「うん」