春の花咲く月夜には
「心春さんは、やるならちゃんとプロを目指してほしいと思ってる?」

「・・・ううん。私も・・・、咲也がみんなと楽しそうに演奏してると嬉しいし、ずっとそういうふうでいてほしいって思うから。それがどういうカタチであってもいいなと思うし・・・、どういうカタチでも、ずっと応援してるよ」

「・・・・・・」

咲也が静かに息を飲み、穏やかな顔で目を伏せた。

その表情は、とても安心しているように見え、そしてなにより、とても嬉しそうだった。

「・・・ありがとう」

彼がそっと呟いた。

咲也はきっと、今のままでも、また、プロとして音楽の道に進んでいったとしても、柔らかな部分や優しさや、大切なものを守ろうとする深い強さは、ずっと変わらないんだろうと思った。


ーーーマグカップの中を覗くと、カフェラテの残りはあと少し。

そろそろ、カフェを出る頃合いかもしれない。













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