春の花咲く月夜には
「今の・・・、賀上くんが作った曲だよね?」
声をかけると、驚いたように彼が振り向く。
「・・・、そうです。覚えててくれたんですか」
「うん。いいなって思った曲だから」
伝えると、賀上くんは一瞬息が止まったような顔をして、それから、はにかむような笑顔になった。
その表情に、私の心臓はドキンと大きく脈打って、部屋の空気までもが変わった気がした。
「・・・すげえ嬉しい。・・・ついでに、『×3BLACK』の曲も弾いてもいいですか」
「え、うん!もちろん」
私が明るい返事をすると、賀上くんは笑顔を見せて、ギュイーンとギターの弦を鳴らした。
そしてそのまま、「×3BLACK」の「spiral」という曲を演奏し始める。
(わ・・・!)
イントロやサビのギターがかっこよく、私が大好きな曲のひとつでもあった。
それを、賀上くんが目の前で弾いてくれていて。
嬉しくて、楽しくて、すぐに気分が上がってく。
今、すごく、贅沢な時間と空間だ。
最後のジャーン!という音が響いて曲が終わると、私は、興奮気味に手をたたく。
「すごい、かっこいい・・・!」
「・・・っ、ありがとうございます。・・・いや・・・、そこまで喜んでもらえると・・・」
そう言うと、賀上くんは照れ隠しのように短く弦をかき鳴らす。
そして、キュッと両手の動きを止めると、前髪を少しだけ掻いて乱した。
「・・・今の曲、超ゆっくりならイントロの部分心春さんも弾けると思うんで・・・、少し、やってみますか?」
「ほんと?うん、ぜひ」
楽しそうな提案に、私はすぐに頷いた。
賀上くんは、「了解です」と返事をすると、ギターを抱えて私の隣の椅子に座った。
その距離に、また、ドキッと胸が鳴る。
けれど、それが伝わらないように、私は平然としたフリでギターを構えた。
「じゃあ、ゆっくりいきますね。さっき教えたコードでいけるんですけど・・・」
それから、彼の丁寧な指導のおかげもあって、私は、「spiral」のイントロをゆっくりとならなんとか弾くことができた。
やった・・・と、ほっと笑顔になった時、スタジオの予約時間はちょうど終了時刻になったのだった。
声をかけると、驚いたように彼が振り向く。
「・・・、そうです。覚えててくれたんですか」
「うん。いいなって思った曲だから」
伝えると、賀上くんは一瞬息が止まったような顔をして、それから、はにかむような笑顔になった。
その表情に、私の心臓はドキンと大きく脈打って、部屋の空気までもが変わった気がした。
「・・・すげえ嬉しい。・・・ついでに、『×3BLACK』の曲も弾いてもいいですか」
「え、うん!もちろん」
私が明るい返事をすると、賀上くんは笑顔を見せて、ギュイーンとギターの弦を鳴らした。
そしてそのまま、「×3BLACK」の「spiral」という曲を演奏し始める。
(わ・・・!)
イントロやサビのギターがかっこよく、私が大好きな曲のひとつでもあった。
それを、賀上くんが目の前で弾いてくれていて。
嬉しくて、楽しくて、すぐに気分が上がってく。
今、すごく、贅沢な時間と空間だ。
最後のジャーン!という音が響いて曲が終わると、私は、興奮気味に手をたたく。
「すごい、かっこいい・・・!」
「・・・っ、ありがとうございます。・・・いや・・・、そこまで喜んでもらえると・・・」
そう言うと、賀上くんは照れ隠しのように短く弦をかき鳴らす。
そして、キュッと両手の動きを止めると、前髪を少しだけ掻いて乱した。
「・・・今の曲、超ゆっくりならイントロの部分心春さんも弾けると思うんで・・・、少し、やってみますか?」
「ほんと?うん、ぜひ」
楽しそうな提案に、私はすぐに頷いた。
賀上くんは、「了解です」と返事をすると、ギターを抱えて私の隣の椅子に座った。
その距離に、また、ドキッと胸が鳴る。
けれど、それが伝わらないように、私は平然としたフリでギターを構えた。
「じゃあ、ゆっくりいきますね。さっき教えたコードでいけるんですけど・・・」
それから、彼の丁寧な指導のおかげもあって、私は、「spiral」のイントロをゆっくりとならなんとか弾くことができた。
やった・・・と、ほっと笑顔になった時、スタジオの予約時間はちょうど終了時刻になったのだった。