エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
「ろうそくに火をつけるね」

 ライターを持ってきて、一本ずつ火をつけていったら、蝋が垂れてしまう前に、急いでしなければいけないことがある。

「和! にっこり!」

 スマホを構えていた和臣が、和に声をかける。

 和は言われた通り、ケーキを前にして、満面の笑みを浮かべて、片手の指をすべて開いて突き出した。

 ピースではないあたりがちょっとおかしい。

 けれどあとから見返したとき、何歳の誕生日かすぐにわかることだろう。

「よしよし! じゃあママも入って!」

 急かされて、梓も和のうしろに座る。肩をそっと抱いた。

 和臣がスマホを三脚に取り付けた。

 スイッチを入れて、急いで和の横に来る。

 ぱしゃ、ぱしゃっと切られるシャッターにより、三人は誕生日ケーキと共に、写真の中に収まった。

「とれた?」

 和がわくわくした声で聞いて、和臣は「ああ」とにっこり笑った。
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