エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
 しかし梓の服を掴んだままである。

 不安なのだろう。

 昨日の話が消化しきれていないのは明らかだった。

 梓としても、離れる気持ちにはなれなかった。

 そのままそっと、和を起こさないように横になる。軽く腕に抱いた。

 眠っていても、母の腕に抱かれたことは悟ったのだろう。

 ごそっと動いて、梓の胸に擦り寄る形になる。

 梓はなにも言わず、和の小さな体を抱いたまま、考えた。

 一夜眠ったからか、昨日より気持ちは落ち着いていた。

 今なら少しまともに、冷静に考えられるかもしれない、と頭に思い浮かべる。
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