内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
甘い言葉に果歩の胸はときめいたが、子供たちの前でのキスには若干の抵抗がある。

しかし以前、卓也にこう説得された。

『ここはアメリカで、夫婦が日常的にキスするのは自然なことなんだ。郷に入っては郷に従え、だろ?』

そういうものなのかと納得して拒んだことはないが、どうしても日本人らしく恥じらってしまう。

キッチンには和食の調味料が並び、靴は玄関で脱いで、卓也の不在時には日本語の話せる日系のベビーシッターが育児を手伝いに来てくれる。

家の中にいると異国にいる気がしないのも原因かもしれない。

今も恥ずかしさに頬を染め、子供たちの視線を気にしながら目を閉じたが――。

果歩の唇にあたったのは芽依のぷくぷくとした小さな手で、隣では卓也の呻き声があがった。

目を開けると新が卓也の口にサツマイモを押し込もうとしていた。

「わっ、新、そんなことしちゃダメ!」

新を下ろした卓也が、口からサツマイモを外して苦笑する。

「キスを邪魔されるのは日常茶飯事だが、サツマイモは予想外だったな。このサツマイモでなに作るんだ?」

「クリームシチューです」

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