内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
「知っています。指示を受けてレストランを予約したのは私ですので。ですがここへ来る前に新たな指示をもらい、キャンセルしました。日曜日に吉川さんはあなたに直接会って別れ話をするつもりでいたんです。急な仕事の予定が入ったためそれができなくなり、私が代理としてきました。明日以降でいいと言われたのですが、私はせっかちな性格でして」

(大事な話が、別れ話だというの……?)

卓也は果歩の仕事終わりに迎えに来て、フレンチレストランデート用の服を買ってくれると言っていた。

なんの記念日でもないのにそこまでしようと考えてくれたのは、別れる恋人へのお詫びの意味もあったのだろうか。

それともお金も気も使ってやったんだから、すんなり別れてくれと言いたいのか。

果歩の胸に不安が大波となって打ち寄せて溺れそうになり、逃れようと首を強く横に振った。

(違う。私の知っている卓也さんはそんなひどいこと考える人じゃない。だって――)

「卓也さんは私に愛してると言ってくれました。レストランに誘ってくれた電話の声は明るくて、別れを考えている感じもなかったです。私は卓也さんから直接言われない限り信じません」

< 38 / 157 >

この作品をシェア

pagetop