敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 むしろ怪我の状態としては殿下の方が重篤に見えた。
「殿下、ハウイットさんは大丈夫です! 頭部に大きなコブができていますが、傷自体浅いですし呼吸も安定しています。小さく身じぎしていますから、これならじきに目覚めます」
 上空から目を逸らすことが許されない中、殿下はハウイットさんの容体が知れず、どんなにか気掛かりだったろう。無事を聞かされた殿下は、心底安堵した様子だった。
「そうか……!」
 私はハウイットさんの背中に自分のマントを脱いで被せると、殿下のもとに戻った。
「おい、なんのつもりだ? やめろ。君に破片があたってしまう」
 殿下の制止の言葉に取り合わず、背面から頭上に覆い被さる。弓射に集中する殿下の視界を遮らないようにだけ注意して、これ以上彼が傷つかぬよう体で守った。
 動揺したのか、殿下が僅かに身じろぐ。その動きで、纏わりつくように残っていた上衣の残骸からポロッとなにかが地面に落ちた。
 なにかしら? 黒い塊のようなものが……?
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