再会した敏腕救命医に娘ごと愛し守られています
あれから1週間。
日曜日の10時を過ぎた頃斗真がやってきた。
紗良はとても喜んでいたが、どこか疲れている様子に見える。

「優里。紗良ちゃん連れてどこか行かないか? 車で来たんだ」

「あ、うん」

斗真に促され、ショッピングモールに向かうことになった。
白いRVタイプの大きめな車で、キャンプやアウトドアの好きな斗真にとても似合うと思った。けれど外も中も汚れひとつない。
チャイルドシートが付けられていたが、こんな綺麗な車に子供を乗せていいのか躊躇ってしまう。

「紗良ちゃんの椅子だよ」

そう言うと斗真は紗良を抱き上げ、シートに乗せると手早くベルトのセットもしてくれた。
私が反対側の扉から乗り込んでいると、早速前のシートに紗良の足が当たるのが見えた。
慌てて靴を脱がせようとしたが斗真にそっと手を掴まれた。

「気にしなくていい」

優しいその声に思わず彼の顔を見ると笑っていた。

「子供がいるんだ、そんなの気にするな。気にするなら誘ってない。優里も紗良ちゃんも俺に気を使わなくていいから」

それはこの前の白いパンツを汚してしまった件も含まれているのだろうか。
確かにあれ以来彼は色の濃いものを着ているかもしれない。あの時は綺麗な格好をしている彼に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。そして自分の姿が前と変わってしまっていることを卑下し、逃げたいと思ってしまった。彼との差に私は恥ずかしくなり、当たるように他人行儀な謝罪をした。
彼はそのことに気がつき、学生の頃のような服や濃い色の服を着てきてくれてたのだろう。何も言わずにいとも簡単に私の生活に入ってこようとしてくれていたのだと気が付かされた。

「ごめん」

「いいんだ。俺には子供がいる生活って分からないから気が付かないことが多いと思う。だから教えて欲しいんだ」

そう言いながら私の頭をポンとするとドアを閉め、運転席に回り込んだ。
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