竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


『ぼくだって、人間になれるもん! ふんんんん!』
「もう、無理しないで……わあ!」


 体に障るから止めようとした瞬間、ポンと音を立ててトレジャーが三歳くらいの男の子になった。


 ただし、裸で――


「できたー! ほら! パパ見て!」
「おお! さすが俺の息子だ! ものすごくかわいいぞ!」
「えへへ! パパ大好き! ママも見て〜」
「かわいいけど、服を着て〜!」


 さっきまで喧嘩していた二人は大喜びで抱き合って、服を着ていないことなんて気にしちゃいない。しかもそのまま王宮や騎士団のみんなにお披露目しようと、トレジャーを抱えたまま走り出してしまった。


「わわ! 二人とも待って!」
「ママ、早く来て〜」
「リコ! 置いていくぞ!」


 トレジャーの着替えをあわてて掴んで走り出すも、興奮したリュディカの足には追いつけそうにない。それでも二人が本当に楽しそうに笑っているのを見ると、その姿に涙がこみ上げてきそうになる。


(この世界に来たばかりの私に、教えてあげたいな)


 竜王の運命の花嫁である私は、殺されないですんだけど、地味に生きられるわけもなく。今日もドタバタと幸せな毎日を、愛する家族と生きてるよって。


「ママ〜」
「リコ!」


 二人が振り返り、私に手を振っている。まぶしいほどの笑顔に、胸が熱くなっていく。


 きっとこんな素晴らしい日が、ずっとずっと続いていくだろう。


「今、行く!」


 私は元気な声で返事をし、愛する家族のもとに駆けよった。

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