エリート御曹司は極秘出産した清純ママを一途な愛で逃がさない
酔ってるのか、もう会えないから感極まっているのか自分でもよくわからない。

けれども温もりが切ないほど心地よくて、清都さんの声がきゅうきゅうとしていると感じ、胸が苦しくて目尻に涙が滲んだ。

清都さんは私の頬に手のひらを添えて、鼻先がぶつからないように角度をつける。
放心状態で少し開いた私の口に、彼の唇が触れ合った。

やわらかい感触に酔い痴れるのも刹那、清都さんの熱い舌が唇を割る。
口内を滑らかに動き、濡れた舌同士が絡まると、くちゅりと控えめな水音を生んだ。

「んっ、ふ」

キスの経験すらない私は、ただ受け入れるだけで精一杯。
口づけの角度が変わるとき、溺れたみたいに息継ぎをした。

熱くて頭がクラクラする。
薄目を開けると視界はぼんやりしていて、焦点が合わなかった。

「かわいい」

チュッ、っと何度も音を立ててキスをして、名残惜しげに唇を離した清都さんが甘くささやく。

困惑を隠しきれない私の目線と、彼の恍惚とした色香にあふれる眼差しがぶつかった。

「あの、私……」
「さっきは無理強いはしないと言ったけど、無理そうだ」

苦しげに目をすがめ、清都さんは私をひょいっと横抱きにする。

「きゃっ⁉」

突然の浮遊感に驚いて口から悲鳴が出た。

そのスリムな体のどこに私をお姫様抱っこする力が秘められているのか、不思議で仕方ない。

「き、清都さん」

落ちないように彼の首に腕を回してギュッとしがみつく。
すると清都さんは、ベッドルームに向かっていた足をピタリと止めた。

「きみがかわいくて、暴走しそうになる」

甘えていると思われただろうか。
抑揚のない声でつぶやき、赤面しているであろう私を至近距離で見ると、清都さんは余裕なさげに微笑んだ。

「大丈夫。手加減する」

さっきリビングルームからちらりと覗いた、キングサイズのベッドに降ろされる。

清都さんはそのまま私に覆いかぶさり、「きみを抱きたい」色っぽい吐息交じりでささやいた。

その言葉が合図かのように、先ほどよりも深い口づけが始まる。
何度も何度も角度を変え、優しく食んだり吸い寄せたり、私を味わうようなキスが続く。

両手をシーツに縫いつけられ、心まで蕩けそうな感覚に夢なんじゃないかと錯覚した。
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