エリート御曹司は極秘出産した清純ママを一途な愛で逃がさない
自分の顔がどんどん凍てついていくのが、鏡を見なくてもわかった。
そんな私の心情など露ほども知らず、母はコロコロと表情を変え、切なげに微笑んだ。
「本当はね、映美の結婚をなによりも楽しみにしてるお母さんに一番に、直接話してほしかった……。だから悲しくて、亜紀さんに聞いたときは初めはちょっと落ち込んだけど、今は映美の幸せをなにより願ってるからね」
涙声を絞り出すように話す母の前で、私は自分がしでかした罪に押しつぶされそうなほど胸が痛くなる。
「それで、お相手はいつ紹介してくれるの? 職場の人なんでしょ⁉」
涙で潤む目をキラキラと輝かせる母に対して浮かぶ感情は、罪悪感以外のなにものでもない。
「……お母さん、ごめんなさい」
娘が神妙に発した一言に、母は丸くした目を一瞬で細めた。
「いいのよ。さっきも言ったけど、もうお母さん、悲しく思ってないから」
「だから、違うのよ。結婚はしない、誤解なんだよ」
意図せずに語調が強まる。
母は目を見開いて絶句した。
そのまま卒倒するのでは、そうなったら支えなければ、と不安になったとき、母は先ほどまでの勢いを失い、肩をがくんと下げた。
「誤解……?」
そして、気の抜けた声でつぶやく。
瞳からは光りが消え、茫然自失としている様が手に取るようにわかる。
「誤解って、一体どういうこと?」
「ええと、いろいろあって。たしかに職場の人が私と結婚するとみんなの前で話したの。でもそれは事情があったからで、事実ではなくて」
私のかい摘んだ説明では納得できないらしく、母は眉をひそめた。
「だから、長谷さんにも、ごめんなさいって伝えて……」
私はたたきに立ったまま、母に深々と頭を下げる。
「そう……。結婚すると嘘とか冗談で話す事情? そんなもの、お母さんにはよくわからないな」
母は険しい表情で首を傾げると、くるりと踵を返した。
正論すぎて、返す言葉がない。
母を悲しませ、ぬか喜びさせて傷つけた。最低だ……。
そんな私の心情など露ほども知らず、母はコロコロと表情を変え、切なげに微笑んだ。
「本当はね、映美の結婚をなによりも楽しみにしてるお母さんに一番に、直接話してほしかった……。だから悲しくて、亜紀さんに聞いたときは初めはちょっと落ち込んだけど、今は映美の幸せをなにより願ってるからね」
涙声を絞り出すように話す母の前で、私は自分がしでかした罪に押しつぶされそうなほど胸が痛くなる。
「それで、お相手はいつ紹介してくれるの? 職場の人なんでしょ⁉」
涙で潤む目をキラキラと輝かせる母に対して浮かぶ感情は、罪悪感以外のなにものでもない。
「……お母さん、ごめんなさい」
娘が神妙に発した一言に、母は丸くした目を一瞬で細めた。
「いいのよ。さっきも言ったけど、もうお母さん、悲しく思ってないから」
「だから、違うのよ。結婚はしない、誤解なんだよ」
意図せずに語調が強まる。
母は目を見開いて絶句した。
そのまま卒倒するのでは、そうなったら支えなければ、と不安になったとき、母は先ほどまでの勢いを失い、肩をがくんと下げた。
「誤解……?」
そして、気の抜けた声でつぶやく。
瞳からは光りが消え、茫然自失としている様が手に取るようにわかる。
「誤解って、一体どういうこと?」
「ええと、いろいろあって。たしかに職場の人が私と結婚するとみんなの前で話したの。でもそれは事情があったからで、事実ではなくて」
私のかい摘んだ説明では納得できないらしく、母は眉をひそめた。
「だから、長谷さんにも、ごめんなさいって伝えて……」
私はたたきに立ったまま、母に深々と頭を下げる。
「そう……。結婚すると嘘とか冗談で話す事情? そんなもの、お母さんにはよくわからないな」
母は険しい表情で首を傾げると、くるりと踵を返した。
正論すぎて、返す言葉がない。
母を悲しませ、ぬか喜びさせて傷つけた。最低だ……。