恋の魔法なんて必要ない!~厭世家な魔術師と国外逃亡した私の恋模様~
私を好きなの、嫌いなの
他の人にどう思われようが気にしなかったのに。
その私が。
......私はイヴァンに──好かれたいのか?
初めてあった夜を鮮明に覚えている。
救いを見つけたと思ったら、地獄の魔王かと思うような威圧感で。
でも今はもはや、気配を良くも悪くも感じないような絶妙な空気を持つ人間───いや魔法使い──という認識に変わった。
この妙な居心地の良さを私は初めて経験して、そして初めて絶対に無くしたくないと思ったのだった。
私はイヴァンに、好かれたいのだろうか。