もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 熱が下がったようだとはいえ、まだ点滴が終わっていないのだから安静にしていなければならないのに、優史の目に溢れんばかりの涙が溜まっていく。

 私の中で一気に緊張が走るも、意外な助けが入った。

「ああ、いた」

 そんな声が聞こえてそちらを見ると、白衣姿の蒼史さんが優史のいるベッドへ来るところだった。

「どうしてここに……?」

「君がいると聞いたからに決まっている。息子の具合はどうだ」

「おかげさまで熱は下がったみたいです。さっき目を覚ましたばかりで、今はおやつを欲しがってますね」

「元気そうでなによりだ」

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