もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 彼をよく知らなければ、本気で思っているとは感じられない淡々とした言い方だった。

 四年の間に彼はますます表情が少なくなった気がする。

 冷たいというよりは頑なで、他者を寄せつけないオーラが強くなったというか。

「だれ?」

 優史は見知らぬ大人を前に興味津々だった。

 蒼史さんの瞳が優史を捉え、束の間、親子が見つめ合う。

 こうして並ぶと、意外にもふたりは似ていなかった。いつもそっくりだと思っていた分、差異が目立つ。

 優史の方がもっと温厚そうだし、目もとも鋭くない。顎のラインは似ているように感じるけれど、これは私がふたりを親子だと知っているからそう見えるだけだろう。

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