もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
「ユウくんいいこ! こわいこわいいらない!」

「ママの言うことを聞けないユウくんがいるって聞いたんだけどなー?」

「ママ! こわいこわいあっちいってして!」

 顔を上げた優史が涙で頬を濡らしながら私に言う。

「じゃあママとティッシュで遊ばないって約束できる?」

「するぅ……」

 短いひと言には『あくまで自分は悪くないが、怖いものを追い払うためなら仕方がない』という不満が滲んでいる。

 優史は顔を極力ウサギの方へ向けないようにしながら、私に向かって小さな手を伸ばした。

 小指を伸ばすのを見て、私も自分の小指を息子のそれに絡める。

「ゆーいきーり、げんまんー」

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