もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
「嘘ついたら針のーます。指切った!」

 優史と指切りで約束するのはこれで何回目になるかな。

 でもこれはこの子が落としどころを見つけるための儀式のようなものだから、「前もしたでしょ」「どうせまたやるでしょ」とは言わない。

「もうこわいこわいいない?」

 指切りを終えた優史は再び私の胸に顔を埋めながら言った。

 その間に大和がすばやくウサギのぬいぐるみを目の届かないところにしまいに行っている。

「うん、もういないよ。いい子のところには来ないからね」

「よかったあ」

 どうして叱られたのかもう忘れたようで、すっかり泣きやんでいる。

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