もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 かすれた低い声とともに、切なげな眼差しが私を捉える。

「蒼史さ──っ」

 やや乱暴にソファに押し倒され、さっきとは比べものにならない荒っぽい口づけを与えられる。

 彼の舌が私の口内をかき混ぜるように動き、絡んだ舌先を吸われた。

 逃げようと舌を引っ込めたのに、それは許さないと言いたげにますます深いキスを迫られる。

「ど、うして」

 いつの間にか彼の手に指を絡めながら問う。

「どうしてあの日、私を欲しいと言ってくれたんですか……?」

 四年もの間、ずっと聞けずにいた質問をこぼすと、私を見つめる蒼史さんの瞳が揺らいだ。

「欲しいと思ったから、以外に理由はないだろう」

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