もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 楽しいどころか、雲を踏んでいるのかと思うほど不安定な毎日だ。なにせ夫とは契約結婚をしたのであって、恋愛結婚ではないのだから。……とは言えない。

「新しい環境で困ったことがあったら言ってくださいね!」

「ありがとうございます。そのときはぜひ頼らせてください」

 そう答えてはおくものの、きっと彼女にお願いする日は来ないだろうなと思った。

 目を輝かせ、興味津々に言ってくるあたり、彼女が本当に聞きたいのは私の悩みや相談ではなく、結婚してどんな生活を送っているか、相手はどんな人なのか、といったところだろう。

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