もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 私たちは世間一般で考えると、かなり仲がいい姉弟だと思う。

 だけどシングルマザーの私を嫌な顔ひとつせずに助けてくれる大和には、いつも申し訳ない気持ちがあった。

「ごめんって言うなよ。家族なんだから」

「……でも大和にも彼女とかできるかもしれないし」

「いらない。今はユウだけで手いっぱい」

 こんな生活を送るようになった原因は私だ。

 四年前、大和は交通事故で大きな怪我を負った。

 二度と歩けなくなるかもしれなかった弟を助けてくれたのが外科医の八柳蒼史先生。そう、優史の父親だ。

「父親はなにをしてるんだって思ってるけどな」

 私の考えを読んだかのようなつぶやきに唇を噛む。

< 18 / 281 >

この作品をシェア

pagetop