もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 大和は優史の父親が誰なのかを知らない。私が言っていないからだ。

 まさか自分の人生を変えてくれたお医者様がそうだなんて思ってもいないだろう。

「まあ、いろいろとね。しょうがないから」

「姉ちゃんはいつもそう言うよな。昔から自分より他人優先で、我慢が趣味なのかと思ってた」

 冗談ではなく本気で言っている口振りだった。

 苦笑いするしかなく、曖昧に笑ってごまかすようにお茶を口に含む。

「なんでしょうがないって言えるんだよ。男としての責任も果たさないで、最低だ」

「理由があるの。大和には本当に迷惑をかけてごめ──」

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