もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 オリーブ色のソファに大理石のコーヒーテーブル。木目の時計が壁際にかかっており、レースのカーテンが風に揺れている。

 家具が置かれているのに、あまり生活している様子を感じさせない空気は蒼史さんの家に似ていた。

 ここもモデルルームのようだと思いながら、ソファに腰を下ろした年配の男女──間違いなく義両親と思われるふたりに目を向ける。

「遅かったな」

 硬い口調で言った男性は厳格そうでなんとなく息が詰まる。

 私の緊張を感じ取ったらしく、優史がきゅっと手を握ってきた。

「その方が結婚相手なの?」

 義母もまた厳しい顔つきと話し方の人だった。

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