もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 嫁が気に入らないという雰囲気ではないのが救いだろうか。

「そうだ。柚子と……優史という」

 蒼史さんは義両親の向かいに用意された椅子に座ろうとしない。

 私たちを座らせるつもりもないようで、優史が横でそわそわしていた。

 申し訳程度に置かれたテーブルの上のクッキーが気になるらしい。

「あれ、ユウくんの?」

「違うよ。おばあちゃんとおじいちゃんのだよ」

 こそっと話しかけられたから私も小声で返す。

 優史は初めて会う祖父母には興味を示さず、熱心にクッキーを見ていた。

「電話でも話した通り、三か月前に結婚した。なにか質問は?」

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