もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 ここはいつから職場に変わったのだろうと思うくらい、緊張感が漂っている。

「ないわ」

「ない」

 蒼史さんだけでなく義両親も温度のない対応をするせいで、居心地の悪さを覚えた。

 私からもなにか言うべきだろうと思うも、その前に蒼史さんが私を手で制した。

 話すなということ?

 なぜ私が口を開いてはいけないのかわからず、またも一方的な彼のやり方に怒りより不安が強くなる。

 でもそれを気にする前に、我慢の限界を超えた優史が祖父母のもとへ駆け出してしまった。

「ユウくん、クッキーほしい。あげる?」

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