もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 部屋のドアを開けると、ちょうどそのタイミングで目覚めたらしく、思い切り伸びをする姿が見えた。

「おはよう、ユウくん」

「おあよー」

 気の抜けた声がして、ささくれ立っていた私の心を癒やしてくれる。

「ママ」

 優史が私を見るなり、うれしそうに笑って手を伸ばした。

 それに応えて抱き上げ、とんとんと背中をなでる。

「すっきり起きられて偉いね」

「いいこ」

「うん、いい子いい子。朝ご飯にしよっか」

「おうどんたべる」

「おうどん? 卵ぽとんって落としたやつかな?」

「ぽとんのやつ!」

 はしゃぐ優史を抱っこし、再び階下に向かった。

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