もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 それなら契約結婚をやめてくれればいいのに、どうして私を解放してくれないのだろう。

「たまご、みっつくーださい」

 考えごとをする私に、優史がおねだりをする。

「三つは多いんじゃないかなぁ」

「みっつ、みっつ。よっつくーださい」

「増えてるよ、ユウくん」

「よっつたべましょー」

「……じゃあ、いっぱい入れちゃおうね」

「わあい」

 もちろん、優史の言う通りに卵を四つ使うつもりはない。

 ふたり分ならひとつで充分だ。優史にはたくさんあるかそうでないかしかわからないから、いつもこうやって誤魔化している。

 かきたまうどんを作り終え、優史と一緒にリビングで朝食をとった。

< 215 / 281 >

この作品をシェア

pagetop