もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 優史はおとなしくうなずいて、いつの間にかポケットに入れていたらしいミニカーを取り出した。

「持ってきちゃったの?」

「やまとくん、みたいでしょ」

 大和が見たいだろうから持ってきた、と言っているようだ。

 押しつけがましいところもかわいく見えるのは、親の贔屓目だろうか。

 ……このやや一方的なところはもしかして父親似だったりする?

「落とさないように持ってるんだよ。あと、投げちゃだめね」

「んー」

 ここからバスに乗っている時間はおよそ十五分。

 その間、優史が騒がないように見守るのが私の役目だ。

「ぶーん」

 優史が窓枠にミニカーを走らせて遊び始める。

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