もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
「ずっと……言えなくて……。ユウくん……蒼史さんの……」

「知っている」

 自然と柚子の手を握る手に力が入った。

「あの子は俺の息子だろう。……謝らないでくれ」

 最初に違和感を覚えたのは、彼女が優史を二歳だと言ったときだった。

 たしかに俺は小児科医ほど子供と接していないが、それでも二歳児と三歳児の微妙な違いくらいはわかる。

 とはいえ成長には個人差もあるから、まだ見過ごせた。

 ふたりと過ごすうちに、優史がときどき幼い頃の俺によく似た顔をすることや、柚子が俺と優史を見比べる視線に気づくようになった。

 決め手になったのはやはり、柚子が優史の名前を隠していたことだろう。

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