もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 そう伝えるも、今まで一度も感じたことのないプレッシャーを感じていた。

 一刻を争う危険な外傷だ。

 身体の中でもとくに太い大動脈が、事故で胸部を圧迫されたことにより解離している。

 傷ついた部分を人工血管に取り換える必要があるが、身体への負担がかなり大きいため、最悪の事態も充分考えられた。

 そんなタイミングで医師の数が足りていない。事故なのだから仕方がないとはいえ、もしたまたま俺がここにいなかったらと思うとぞっとする。

 今日、俺が大学病院に呼ばれたのはこのためだったのかとすら思った。

「すぐに始めます」

「はい、わかりました!」

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