もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 優史の父親──蒼史さんに息子の存在を明かしていないのは私のわがままのようなものでもあるし。

 初めて肌を重ねた翌日、蒼史さんは私に別れを告げた。

 偽装恋愛の約束を破ってしまったと、昨夜の熱を少しも感じさせない冷えた声で。

 本当の恋愛に昇華させてはいけないなんて約束はなかったけれど、彼が自分の人生に恋愛を望んでいないのはわかっていた。

 だからなにも感じない振りをして別れを受け入れたのだ。

 まさかそのひと月後に優史をお腹に宿すとは思いもしなかった。

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