もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 まず、昨日泥だらけにしたお気に入りのシャツを着たいと駄々をこね、朝ご飯はうどんがいいと言った五分後にパンじゃなきゃ食べないと怒った。

 どうにか食事を終えた後は、靴下の感触が気持ち悪いと裸足になってカーペットの上にひっくり返り、大の字になって大泣きした。

 外へ出るときも靴を履きたくない、リュックにジュースを入れて持っていきたいと泣き、結局私に抱っこをせがんでここまでやって来たのである。

 本当に、私ひとりじゃきっと耐えられなかった。

 精神的に疲れてへこんでも、大和にはどう優史と向き合っていくべきかを相談できない。

 こういうときに私は蒼史さんを思い出してしまうのだ。

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