もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 鼓動が速くなっていくのをごまかそうとして尋ね、その質問は失敗だとすぐに気づく。

 だけど私が訂正する前に蒼史さんが答えた。

「そうですね、残念ながら。生涯独身で恋愛もする気はないと言っても、なかなか理解を得られない」

「さっき言ったように、心に決めている方がいるわけじゃないんですよね……?」

「単純に自分には恋愛が向いていないだけです。よい恋人、よい夫であろうとするよりも、よい医者でありたいので」

 両立している医者は多いだろうに、と思うも、彼と私の考え方は違うのだと自分に言い聞かせる。

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