もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 素の言動はとても素っ気なくて冷たいくらいなのに、他人に対して思いやりに溢れているところ。

 手術を控えた子供にわかりやすく説明するため、寝る間を惜しんで絵本を作ったと知ったときは、なんて優しくて温かい人だろうと改めて尊敬と淡い気持ちが込み上げたものだ。

 そういうわけで私は内科の先生とのデートを断ったのだが、蒼史さんはどこかで件の情報を耳にしたらしい。

 話があると性急に連れ出した割にはまともに言葉を交わさないまま、ふたりで夜を共にした。

 最初は一緒に過ごすうちに愛情が芽生えて、彼が嫉妬や独占欲を抱いてくれたのかなと期待を抱きもした。

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